FAQ

先生の研究テーマはなんでしょうか

 昔は錯視の研究や視覚記憶の研究など、主に視覚中心の研究を行っていました。近年では、単純接触効果、妨害刺激嫌悪効果、選択による好意度の変容など、認知心理学を背景とした感情の変容の研究を行っています。また、これらの方法を利用した食行動の変容にも興味があります。
 心理学の知識を現実場面での問題解決に利用することにも興味があります。このため、操作支援(例えば、自動運転)と行為主体感(ある出来事を生じさせたのが自分であるという感覚)との関係を調べる研究や、情報系の研究者と協力して自動運転を模した状況で、乗車中の不安の低減を行う手法を開発する研究にも従事しています。また、最近は読みやすい書体や好ましい書体に関する研究も行っています。
 また、まだあまり関与できていませんが、元々は臨床心理学にも興味があるため、今後は認知臨床心理学的な研究も行いたいと考えています。

学生の研究テーマやプロジェクトの研究テーマを教えて下さい

  • 認知心理学:視覚的注意,視覚記憶,虚記憶,処理流暢性効果(単純接触効果,真実性効果,記憶の非流暢性効果),妨害刺激嫌悪効果,行為主体感
  • 感情心理学:多様な感情(共感性・信頼性・不安)及び認知機能(注意,記憶等)との関連,ストレスと記憶,凶器注目効果,脅威刺激の検出優位性,運転(自動運転を含む)と感情
  • 学習心理学:評価条件づけ,視覚統計学習
  • 健康心理学(食を含む):渇望感,感性満腹感,注意/反応/記憶抑制による食行動の変容,健康食品に対する認知

また,学生のテーマに関してはこちらもご参照ください。

どのような研究テーマの指導を行えますか

 広い意味で、知覚、認知、感情、学習などと関連するテーマでしたら、指導可能だと思います。興味は広いほうだと思いますので、お気軽にご相談ください。
 本研究室では、主に行動指標を中心とした研究を行っておりますが、教員の共同研究者と連携することにより、生理指標や神経科学的手法を利用した研究や工学的・情報学的デバイスを用いた研究などを行うことも可能だと思います(要相談)。

学生の研究テーマの選択はどのように行われているのでしょうか。
 本研究室では,学生本人が主体的に研究テーマを選択することを推奨しています。ただし,完全に放任というわけではなく,教員から様々な形で助言を行います。

心理学以外の分野から修士課程に進学することも可能でしょうか。
 大学院の入試に合格していただければ,どなたでも進学は可能です。ただし,入試は進学するための最低限の能力しか保証しておらず,実際にはそれ以外の様々な能力が必要になります。例えば,心理学の方法論に関する知識,適切な研究計画を立案する能力,プログラミング能力,統計学の知識及び実践的な能力,研究倫理に関する知識など。大学院入学後にこれらの知識や能力を身につけることも可能ですが,本来学部生が3年をかけて学ぶものを,短期間で習得することになりますので,かなりの努力が必要になります。このため,人間もしくは動物を対象とする研究を行った経験がある方,プログラミング能力や統計学に関する基礎知識等をお持ちの方の方が進学してからうまくいきやすいのではと思います。

仕事をしている場合や遠方に居住している場合でも修士や博士を取得できるでしょうか。
 私の大学院の授業は金曜日の4限と5限に行っています。こちらは基本は対面ですが,オンライン対応も可能です。博士の場合は私の授業(と研究指導の授業)だけで修了単位数を満たせますので,ご自身の研究をオンライン実験もしくは特定の期間に大学で集中的に行うのであれば,遠方に居住している人や社会人でも博士の取得を目指すことは可能です。修士課程の場合は,私の授業だけでは修了の単位数を満たすことができず,最低週1日は大学で他の教員の授業を履修する必要があります(2年で卒業したい場合)。また,仕事をしている方は,標準年限以上の年数での修了を目指す長期履修制度があります。状況に応じて柔軟に対応できますので,遠慮なくご相談ください。

学会参加のための旅費等の支援はありますか

 人文科学研究科では年1回の国際学会,年3回の国内学会まで旅費の支援があります。ただし,交通費や学会参加費のみで,宿泊費の補助はありません。

経済的な支援はありますか

 博士前期課程の学生の場合は,生計維持者が都内に住んでいること,大学卒業後1年以内に進学すること等の条件を満たせば,学費が全額無償になります。詳細はこちらのページを御覧ください。
 博士後期課程については,JSTの次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)や都立大独自の支援があります。都立大独自の支援に応募するためには,学術振興会特別研究員(DC1)に申請する必要がありますので,ぜひDC1への申請をご検討ください。SPRINGの応募は,2024年度採用の場合は前年度の3月でしたが,2025年度採用ではもっと早まる可能性があります(秋くらいではないかと予想しています)。後期課程への進学をご検討の方は夏ぐらいまでに一度ご相談をいただけるとありがたいです。
 また、教員の研究費がある場合は、教員の研究補助員として雇用し、多少の給与を支払うことができます。

研究にはお金がかかりますか

 研究に使用するための文房具、パソコン、実験参加に対する謝礼等、研究に必要な物品等の費用は基本的には教員の研究費から支出したいと考えています。

博士号を取得しても就職できないと聞いたのですが

 確かに大学教員のポストは年々減っているため、大学の任期なしの職につくことは昔よりは難しいです。一方で、心理学の博士を雇用してくれる民間企業は昔よりも増えていますので、民間企業への就職は昔よりも容易になっていると思います。教員は、民間企業で心理学の専門知識を活かせる人材を多く輩出したいと考えていますので、民間企業への就職もできるだけサポートしたいと思います(もちろん大学教員やポスドクしての就職もサポートします)。